【メルマガ Back No.72】決算書の読み方その② なぜこの銘柄は株価が上がるのか?
- 神谷拓
- 5 日前
- 読了時間: 3分
更新日:4 日前

こんにちは、KABU-ACAの神谷です。
今週は太陽誘電、村田製作所、TDKといった積層コンデンサーメーカーに一気に注目が集まり、他のAI銘柄を差し置いてこの3社が大きく上昇しました。太陽誘電にいたっては今週だけで43%アップ。チャートも極端な形を描いています。
なぜMLCCが注目されているのか
MLCCとは積層セラミックコンデンサーのことで、電子機器の電源を安定させる部品です。AIサーバーとの相性が極めて良く、需要拡大の期待が高まっています。
その理由はAIサーバーの電源構造にあります。GPUは瞬間的に莫大な電流を消費するため、近くに大量のMLCCを置いて電流を受け止める必要があります。需要が伸びる軸は三つ。
①数量では一般サーバーの2,000〜3,000個に対し、AIサーバーは20,000〜30,000個と10倍超。
②単価ではハイエンド品へのシフトで利益率が上昇。
③需要超過による値上げも期待できます。
数字だけ見れば、確かにすごそうだと思いますよね。上がりそう、乗り遅れたくない、そう感じた方もいるかもしれません。
「コンスタントに勝つ」が投資の本質
投資というのは確率だと私は考えています。
ギャンブル的な銘柄に飛び乗るよりも、勝つ可能性が高い銘柄に投資し続ける方が、長期的に資産は積み上がります。確率の高い投資を繰り返すことで、コンスタントに勝てるようになる。
それが投資の本質です。
今から急騰した銘柄に理由もなく飛び乗るのはギャンブルです。大切なのは「まだ上がる余地があるかどうか」「あるとすればその確率はどのくらいか」を自分の頭で考えられるかどうかです。その問いに答えられないまま買うのは、値動きに感情が引っ張られているだけです。
株価が上がる理由は3つしかない
決算書を読む目的の一つは、「なぜこの株が上がっているのか」を理解することです。株価が上がる理由をざっくり整理すると、次の3つに集約されます。
①業績が良いこと
②自社株買いや増配など株主還元
③将来への期待感
決算書を読みながら、今見ている銘柄がこの3つのどれで動いているのかを必ず確認してください。株価を動かしている本当のカタリストを見極めることが、銘柄選びの核心です。
太陽誘電はいま③だけで動いている
今回の太陽誘電などのケースでいえば、動いているのは明らかに③の期待感だけです。MLCCがAI需要で爆発的に伸びるのではないかという噂を材料に、短期トレーダーが一斉に買い込んでいる状態です。
すでにPERは100倍に達しており、典型的なイナゴ銘柄になっています。確かにMLCCの需要は今後あるかもしれませんが、まだ業績には反映されていません。
業績に反映されていない期待感は、次の決算で失望に変わる可能性があります。イナゴタワーは一気に崩れるリスクが高い。
買っていいのはこの組み合わせ
決算書を読んで買いと判断できるのは、①②③の三つが揃っているとき、もしくは①③の組み合わせです。
業績が良く、株主還元もあり、将来への期待感もある。あるいは、素晴らしい業績を出していて、その成長が1年・2年先まで続くと自分の中で確信できる。
期待感の判断は難しいですが、今の業績や需要環境が中期的に続くかどうかを、自分の言葉で説明できるかどうかが一つの基準です。説明できなければ、それはまだ買い時ではありません。
数字で語れる根拠を持って、丁寧に銘柄を選んでいきましょう。
それでは、また水曜日に。
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