【決算書の読み方③】決算が良くても株価が下がるのはなぜですか?
更新日:8月30日

こんにちは、KABU-ACAの神谷です。
「決算は良かったのに、なぜ株価が下がるのか」と感じたことはありませんか。売上高も利益も伸びている。それにもかかわらず、株価が下がることがあります。
結論から言えば、株価は今の業績だけでは動きません。投資家が見ているのは、来期・再来期に成長率が加速するのか、それとも減速するのかです。
株価はなぜ「今」より「次の成長率」を見るのですか?
株価には、将来の利益成長への期待が織り込まれています。重要なのは、現在の業績が伸びているかだけではなく、成長率がこれからどう変化するかです。
たとえば、今期の営業利益が前年比30%増でも、来期は20%増へ減速すると予想されれば、株価が下がることがあります。
反対に、今期は20%増でも、来期は30%、再来期は40%へ加速すると期待されれば、企業の評価が変わるきっかけになります。
成長率の加速・減速は株価にどう影響しますか?
私が決算書を読むときは、売上高と営業利益の伸び率を、前年同期比や前期比で確認します。1期分だけではなく、複数の四半期や年度を同じ条件で並べることが大切です。
営業利益が増えていても、成長率が30%、20%、10%と鈍化しているなら、市場の期待を下回る可能性があります。反対に、10%、20%、30%と加速しているなら、企業の成長に変化が起きています。
ただし、数字だけを追っても十分ではありません。販売数量の増加なのか、値上げなのか、新製品の寄与なのか、それとも一時的な要因なのか。なぜ成長率が変化したのかを確認してください。
単純な売上高や営業利益は、カブタンやマネックス証券の銘柄スカウターなどでも確認できます。決算短信と決算説明資料は、どちらか一方へ役割を固定せず、成長率が変化した理由を探すために使います。決算説明資料の方が図やグラフで分かりやすいこともありますが、企業によって詳しく書かれている資料は異なります。
決算書で企業の事業構造を確認する方法と組み合わせると、どの事業の変化が会社全体の利益へ影響しているかを整理しやすくなります。
決算書ではどの3つの数字を確認しますか?
成長率を判断するときは、次の3つを並べて確認します。
・売上高の成長率
・営業利益の成長率
・営業利益率
売上高の成長率は、企業の事業規模が拡大しているかを見る数字です。営業利益の成長率は、本業で生み出す利益がどのくらい伸びているかを示します。私は企業分析では、営業利益の成長率を最も重視しています。
営業利益率は、売上高に対してどれだけ効率よく営業利益を出しているかを見る数字です。売上高と営業利益がともに伸び、営業利益率も改善しているなら、企業の収益力が高まっています。
ただし、大切なのは会社全体の数字だけではありません。最も利益に貢献している事業を見つけ、その事業の成長率と利益率を確認します。小さな事業が急成長しても、会社全体の利益への貢献が小さければ、業績全体を大きく変えないことがあるからです。
企業分析で利益変化を見つける考え方でも、現在の数字ではなく、利益率や利益成長率の変化を見る理由を説明しています。
株価が下がって不安なときは何を確認しますか?
保有株が下がると、不安になるのは自然なことです。しかし、そのときに見るべきなのは、短期の株価やチャートだけではありません。
もう一度決算書や決算説明資料を開き、次の点を確認します。
・売上高と営業利益の成長は続いているか
・成長率は加速しているか、減速しているか
・数字が変化した理由は今後も続きそうか
成長の前提が崩れていなければ、短期的な株価下落と企業の業績悪化を分けて考えられます。反対に、成長率が鈍化した理由を説明できないなら、保有の根拠を改めて確認する必要があります。
個別株を分析する基本の流れで説明しているように、私は市況、セクター、企業の順で見ます。企業の決算だけでなく、市場全体や業界の変化も併せて確認します。
投資家は決算書の何を確認すべきですか?
決算書では、良い数字を一つ見つけて終わりにしないことです。複数期の成長率を並べ、加速しているか減速しているかを確認し、その変化を生んだ具体的な理由まで読みます。
株価ではなく、企業の変化を見て判断する。この習慣が、感覚的な売買から抜け出す土台になります。
この記事は、決算書はどの順番で読めば、企業の成長を判断できますか?で紹介した5つの手順のうち、成長率の変化を確認するステップにあたります。
成長率と株価について、よくある質問は何ですか?
好決算なら株価は必ず上がりますか?
必ず上がるわけではありません。市場予想を下回った場合や、次期以降の成長率が減速すると見られた場合は下がることがあります。
成長率は何期分を比較すればいいですか?
1期だけで判断せず、少なくとも複数の四半期や年度を同じ条件で並べ、加速・減速の方向を確認します。
売上高と営業利益はどちらを重視しますか?
両方を確認しますが、私は本業の利益変化を見るため営業利益成長率を重視し、売上高や営業利益率と併せて判断します。
成長率が減速したら業績が悪いのですか?
減速しても利益自体が伸びている場合があります。減速の理由と市場予想、今後の継続性を確認して判断します。
私が決算書で見ているのは、今の数字の良し悪しだけではありません。数字がどちらへ向かい、その理由が次の決算でも続くのかを、自分の言葉で説明できるかです。
感覚ではなく、数字の変化と理由を見て判断する。この積み重ねが、企業分析の精度を高めると私は考えています。
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※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買や投資手法を推奨するものではありません。記載内容は執筆時点の見解であり、将来の運用成果を保証するものではありません。投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任で行ってください。





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