強い高配当株と弱い高配当株は、キャッシュフローでどう見分ければいいですか?

こんにちは、KABU-ACAの神谷です。
高配当株を見るとき、配当利回りだけで選ぶのはやめてください。会社の実力以上に無理をして配当している場合、その配当金額には継続性がないからです。
配当利回りだけで株を選ぶのは危険です。株価が下がれば配当利回りは高くなるため、株価が下がり続けて利回りだけ高く見える株をつかむことがあります。
そして、減配が発表されれば、株価がさらに大きく売られることがあります。
そのため、配当目当ての株を買うときはもっと注視してみるべきポイントがあります。
私が確認するのは、配当を続けられるだけの現金を本業で生み出しているかです。その答えを確認する資料が、キャッシュフロー計算書です。
なぜ配当利回りだけでは判断できないのですか?
配当利回りは、1株当たり配当金を株価で割った数字です。業績悪化で株価が下がった結果、見かけ上の利回りだけが高くなっている銘柄もあります。
また、利益や現金が足りないのに、過去の蓄えを取り崩したり、借入金を増やしたりして配当を維持する会社もあります。これが私の言う「無理をして配当している会社」です。
配当の金額が大きいことと、その配当を来年も再来年も続けられることは別の話です。株価を動かす「業績・還元・期待」の見方でも説明している通り、株主還元は必ず業績と一緒に確認します。
キャッシュフロー計算書では何を確認すればいいですか?
キャッシュフロー計算書には、主に3つの区分があります。
・営業キャッシュフロー:本業で入ってきた現金
・投資キャッシュフロー:設備投資や事業買収などに使った現金
・財務キャッシュフロー:借入れ、返済、配当、自社株買いなどによる現金の動き
最初に見てほしいのは営業キャッシュフローです。ここが継続してプラスなら、本業から現金を生み出せています。反対に、会計上は利益が出ていても営業キャッシュフローが弱ければ、売掛金の回収や在庫の増加などを確認する必要があります。
そして見てほしいのがフリーキャッシュフローです。
営業CF-投資CFがフリーキャッシュフロー。
これが配当や自社株買いの原資になります。
フリーキャッシュフローはどう計算しますか?
決算書を大まかに読む場合、フリーキャッシュフローは「営業キャッシュフロー ー 投資キャッシュフロー」で確認できます。投資キャッシュフローは通常マイナスで表示されるため、営業キャッシュフローから投資に使った現金を差し引く形になります。
たとえば、営業キャッシュフローが100億円、投資キャッシュフローがマイナス40億円なら、フリーキャッシュフローは60億円です。これが会社に残り、配当や借入金の返済、追加投資などに使える現金になります。
あなたが配当目当てで投資するなら、配当金額とフリーキャッシュフローを比べてみてください。フリーキャッシュフローが30億円しかないのに、毎年60億円を配当しているとしたら、その差額を何で補っているのかを調べる必要があります。
強い高配当株と弱い高配当株の差は何ですか?
強い高配当株は、営業キャッシュフローが安定し、必要な投資をした後にも現金が残ります。その範囲内で配当し、さらに現預金や借入金にも余裕があります。
弱い高配当株は、本業の現金創出力が落ちているのに配当金額だけを維持しています。フリーキャッシュフローの赤字が続き、借入れや資産売却、もしくは手持ちの現金を減少させて配当を補っているなら、減配の可能性を考えなければなりません。
ただし、大型投資をした1年だけフリーキャッシュフローがマイナスになることはあります。事業構成と成長事業を確認する方法を使い、その投資が将来の利益と現金につながるものかを見ます。
キャッシュフローと還元方針はどう結びつけて見ますか?
JT(日本たばこ産業)は、2025年度に2,727億円のフリーキャッシュフローを生み出しました。本業で稼いだ現金から投資に使った現金を差し引いても、潤沢な現金が残っています。
毎年このフリーキャッシュフローを生み出せる会社が重要になります。
そして、会社が株主還元方針を発表しているところを選んでください。このフリーキャッシュフローはいうなれば企業側が自由に使うことができるお金で、借金の返済に充てることもできますし、配当金に充てることもできますし、自社株買いに充てることもできます。
株主還元方針で、配当金をどのくらい出しますとか、自社株買いをこのくらいやりますっていうふうに宣言している会社の方がいいです。
投資家はどの順番で確認すべきですか?
私が高配当株を見る順番は次の3つです。
・営業キャッシュフローが数年にわたりプラスか
・フリーキャッシュフローで配当金額を賄えているか
・現預金、借入金、還元方針に無理がないか
単年度だけではなく、最低でも3年程度の推移を見ます。企業分析の基本的な進め方と同じく、数字が良いか悪いかだけで終わらず、なぜ変化したのかを決算資料で確認してください。
高い配当利回りは、強い会社の証明ではありません。私は、会社が本業で稼いだ現金から、成長投資と配当の両方を無理なく出せているかを見ます。配当の大きさより、配当を生み続ける力を確認していきましょう。
高配当株とキャッシュフローについて、よくある質問は何ですか?
配当利回りが高いほど、良い高配当株ですか?
利回りだけでは判断できません。株価下落で見かけの利回りが高くなっている場合や、無理な配当もあります。
株価が下がれば配当利回りは高くなるので、配当利回りで株を選ぶと株価がどんどん下落している株を掴むことになります。
フリーキャッシュフローはどこで確認できますか?
企業のキャッシュフロー計算書や、証券会社の企業分析サービスで確認できます。数年間の推移を見てください。
株探などのサイトでも確認できます。
投資キャッシュフローがマイナスなら危険ですか?
設備投資などで通常はマイナスになります。金額だけでなく、その投資が将来の利益につながるかを確認します。
配当金の支払額がフリーキャッシュフローを継続的に上回っている会社は要注意です。
配当金額がフリーキャッシュフローを超えたら減配しますか?
1年だけでは断定できません。複数年続いているか、現預金や借入金で無理に補っていないかを確認します。
配当を長く受け取りたいなら、利回りの数字より先にキャッシュフローを見てください。現金の流れを追えば、その配当が本業の力で支えられているかが分かります。
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※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買や投資手法を推奨するものではありません。記載内容は執筆時点の見解であり、将来の運用成果を保証するものではありません。投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任で行ってください。





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