決算書で企業の「本当の稼ぎ頭」を見つけるには、何を見ればいいですか?

こんにちは、KABU-ACAの神谷です。
決算書を開いても、どこから見ればよいのか分からない。そんな経験はありませんか。大切なのは、「どの事業が利益を稼ぎ、その利益が今後も伸びるのか」を見つけることです。
決算短信と決算説明資料はどう使えばいいですか?
結論から言うと、この2つに100%明確な使い分けはありません。決算短信の方が詳しい企業もあれば、決算説明資料の方が分かりやすい企業もあります。
売上高や営業利益、業績予想、四半期ごとの推移を見るだけなら、株探やマネックス証券の銘柄スカウターの方が早く、比較もしやすいです。単純な数字を探すために、決算資料を隅々まで読む必要はありません。
私が決算資料を読む目的は、会社の事業構造を把握することです。どの事業が利益を稼ぎ、何が伸びているのかを確認します。
事業別の情報がどちらに載っているかは企業によって違います。ただ、決算説明資料ではグラフで示されることが多く、比較しやすいと思います。両方を開き、利益への貢献が最も大きい事業を探してください。
企業の「解像度」を上げるには何を確認すべきですか?
最初に確認するのは、利益への貢献が最も大きい事業、最も成長している事業、そして一番の稼ぎ頭の成長率です。
「売上高が一番大きい事業が、その会社の稼ぎ頭だ」と思っていませんか?
実際には、売上規模が小さくても利益率が高く、全社利益を大きく押し上げる事業があります。反対に、5つある事業のうち一番小さな事業だけが伸びても、全社業績への貢献は限られます。
小さな事業ばかりを調べても、企業分析の中心にはなりません。まず、一番大きな利益を稼ぐ事業の利益率と成長率を見ます。そのうえで、別の成長事業が将来の稼ぎ頭になれるかを考えます。
半導体関連株を事業構成・成長率・製品力から見分ける方法でも説明した通り、「関連企業」という名前ではなく、成長事業が全社利益へ与える大きさを見ることが重要です。
TOTOの決算から何が読み取れますか?
TOTOと聞くと、トイレなどの住宅設備を思い浮かべるでしょう。しかし、決算を事業別に分けると、別の姿が見えます。
2024年度のセラミック事業は売上高503億円、営業利益204億円でした。全社売上高7,245億円の約7%にすぎませんが、全社営業利益485億円の約42%を稼いでいます。
この事業は、半導体製造装置でシリコンウエハを固定する静電チャックなどを手がけます。衛生陶器で培った焼成や精密加工の技術が、高収益事業につながっているのです。
見るべきなのは「TOTOに半導体事業がある」という話題性ではなく、利益への貢献と成長が続く理由です。
成長事業が今後も伸びるか、どう判断すればいいですか?
まず確認してほしいのは、その事業が伸びた理由です。決算短信や決算説明資料には、なぜ利益が伸びたのかが大抵書かれています。
その文章を読んで終わりにせず、成長理由が次の四半期や来期も続くか、自分で判断する癖をつけてください。
一時的な値上げや資産売却が理由なら、同じ成長が続くとは限りません。一方、需要拡大で販売数量や受注が増えているなら、その需要が続くかを調べ、成長継続の仮説を立てます。
成長率が加速しているか、減速しているかも重要です。成長率の加速・減速から株価を読む方法と組み合わせると、将来の変化を立体的に考えられます。
投資家は決算書のどこを確認すべきですか?
私が確認する順番は、次の3つです。
・利益への貢献が最も大きい事業
・その事業の利益率と成長率
・決算資料に書かれた成長理由と、その継続性
この3点を確認すると、本当の稼ぎ頭が分かります。そのうえで、株価が上がる理由を「業績・還元・期待」で整理する方法を使い、利益成長が株価へどう反映されるかを考えます。
決算書は数字を暗記する資料ではありません。私が知りたいのは、利益を動かす中心と、その成長が次の決算でも続くかです。会社全体から事業へ掘り下げ、数字と理由で説明できる企業を探していきましょう。
決算書の読み方について、よくある質問は何ですか?
決算短信と決算説明資料は、どちらを先に読めばいいですか?
読む順番に決まりはありません。両方を開き、事業別の売上高・利益・成長率が分かりやすく載っている方から確認します。
事業別の利益は決算書のどこに載っていますか?
決算短信か決算説明資料に大抵記載されています。決算説明資料ではグラフで示されることが多いので、利益への貢献が最も大きい事業を探してください。
売上高が最大の事業を最優先で見ればいいですか?
売上高だけでは判断できません。利益構成比、利益率、成長率を比較し、会社全体の利益を動かす事業を探します。
成長事業が今後も伸びるかは何を見れば分かりますか?
決算短信や決算説明資料に書かれた成長理由を読み、その理由が次の四半期や来期も続きそうかを自分で判断します。
この記事でお伝えしたいのは、企業分析では有名な商品より、利益を生む事業を見ることが大切だという点です。決算のたびに同じ順番で確認すれば、企業を見る解像度は少しずつ上がっていくと私は考えています。
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※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買や投資手法を推奨するものではありません。記載内容は執筆時点の見解であり、将来の運用成果を保証するものではありません。投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任で行ってください。





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