【四季報の使い方】会社四季報はどう使えば個別株の候補を効率よく探せますか?
更新日:8月30日

こんにちは、KABU-ACAの神谷です。
会社四季報を買ったものの、最初から読み始めて途中で挫折した経験はありませんか。四季報は情報量が多いため、すべてを詳しく読もうとすると続きません。
私の使い方は、四季報を「読む」のではなく「めくる」です。1社10〜20秒ほどで確認し、詳しく調べる企業の候補を探す一次スクリーニングに使います。
なぜ個別株を探すときに会社四季報が役立つのですか?
会社四季報が役立つのは、日本の上場企業を一冊で比較し、まだ知らない企業や業績の変化を効率よく見つけられるからです。知っている企業だけを調べていると、投資候補が自分の知識の範囲に偏ります。私は証券会社出身ではなく、皆さんと同じ個人投資家です。投資を始めた頃は短期的な売買で失敗し、そこから企業の成長に着目するファンダメンタルズ分析へ軸を移してきました。
現在は、個別株を学び直したい人に企業分析を教えています。その中でよく聞くのが、「四季報を買っても読み方が分からない」「企業が多すぎて、どこを見ればいいのか分からない」という悩みです。
実は、私もまったく同じでした。「株でもうけるぞ」と気合を入れて本を開き、1ページ目から読み始めるのですが、5分で眠くなり、魂が体から幽体離脱して夢の世界へ。気がつけば本棚の肥やし、最後には漬物石のような扱いになっていました。
しかし、使い方が分かると、四季報ほど便利な企業情報誌はありません。日本の上場企業を一冊で幅広く見渡せるため、今まで知らなかった企業や、業績に変化が起きている企業を見つけられます。
なぜ四季報は「読む」のではなく「めくる」のですか?
四季報の役割は、その場で投資先を1社に決めることではありません。数多くの企業の中から「これは詳しく調べてみたい」と思う候補を効率よく拾うことです。
全企業を1社ずつ細かく読んでいたら、候補を探すだけで大変な時間がかかります。写経のように内容を書き写す人もいるようですが、私は一般の個人投資家には勧めません。
四季報に載っているのは公開情報です。四季報を読んだだけで他の投資家と差がつくわけではありません。まず候補を探し、その後に決算資料やIR情報を読んで深掘りする。この入口として使います。
四季報の10秒スクリーニングでは何を確認しますか?
私が1社10〜20秒ほどで確認するのは、次の5点です。
・株価チャートが右肩上がりか
・営業利益の予想が伸びているか
・PERが利益成長率に対して高すぎないか
・直近の業績へ影響する具体的な材料があるか
・自分が事業内容を理解できるか

この段階では、すべてを精密に計算する必要はありません。詳しく調べる価値がありそうかを短時間で判断します。
株価チャートでは何を見ればいいですか?
私は最初に、株価が右肩上がりになっているかを見ます。特に直近半年ほどで高値を更新している企業は、業績や市場環境に何らかの変化が起きていないか確認します。
この確認だけでも、多くの企業が候補から外れます。ただし、高値を更新しているから投資対象になるという意味ではありません。あくまで、詳しく調べる候補を効率よく絞るための入口です。
営業利益予想はどのように見ればいいですか?
業績欄では売上だけでなく、営業利益の今期予想と来期予想を見ます。営業利益の伸びが目立つ企業では、会社の中や市場で何らかの変化が起きている可能性があります。

四季報の「予」は、担当記者が取材と分析を基に作る独自予想です。会社が発表する業績計画や、市場コンセンサスと同じ数字ではありません。一次スクリーニングでは四季報予想の方向を見て、候補に残した後は会社計画や決算資料とも比較します。
皆さんなら、営業利益が横ばいの会社と、30%伸びる会社のどちらを先に調べますか。私はまず、利益に大きな変化が出ている会社へ付箋を付けます。
PERは何と比較すればいいですか?
PERは低ければよいわけではありません。利益成長が鈍い企業は、成長期待が低いためにPERも低くなっている場合があります。
私はPERと営業利益成長率を並べます。例えばPERが15倍、営業利益成長率が30%なら、成長率に対して株価評価が高すぎないかをさらに調べます。これは厳密な適正株価の計算式ではなく、候補を探すための目安です。
低PER株を利益成長率と組み合わせて見る方法でも、PERを単独で判断しない理由を説明しています。
業績へ影響する材料はどこまで先を見ますか?
記事欄では、新製品、大型受注、価格改定、生産能力の増強など、利益へ影響する具体的な出来事を探します。重要なのは、何が起きるかだけでなく、いつ、どの事業の利益へ反映されるかです。
例えば、まもなく新製品が発売される、大型プロジェクトを受注したという話は、直近の業績へ影響する可能性があります。一方、数年後に完成する工場のように利益貢献まで時間がかかる計画は、一次スクリーニングでは直近材料と分けて扱います。長期計画に意味がないのではなく、時間軸が違うからです。
自分が理解できる事業かどうかは、なぜ重要ですか?
事業内容を読んでも、利益への影響を自分で説明できない企業は、私はいったん候補から外します。自分が理解できない事業では、良いニュースが出ても、どのくらい利益に貢献するのか判断できないからです。
例えば医薬品は専門性が高く、治療薬の価値や承認の可能性、利益への影響を判断するには専門知識が必要です。私自身も分からない分野があります。無理に分かったふりをせず、自分が変化を追える企業から分析します。
付箋を使って四季報を2周するのはなぜですか?
5つの条件を確認し、気になる企業には付箋を付けます。後から見返せるようにするためです。

1周目は条件に合う企業を広めに拾います。実際にやると、最初はたくさんの付箋が付きます。
2周目は、付箋を付けた企業だけを見直します。1周目を終える頃には自分の基準ができているため、さらに選別しやすくなります。

私は最終的に30社程度まで絞ることを目安にしています。30社という数字は絶対ではありません。次に決算資料を詳しく読む工程には時間がかかるため、自分が分析できる数まで絞ることが目的です。
同じ業界に付箋が集中したら何が分かりますか?
四季報をめくっていると、「この業界は業績が良い」「この業界は不調」という流れが見えてきます。同じ業界の企業に付箋が集中することがありますが、これは重要なサインです。
個別企業だけでなく、業界全体に追い風が吹いていないかを確認してください。株式投資では、企業の前にセクターの流れを見ることが大切です。市況からセクター、企業へ進む分析順序も合わせて使うと、候補を整理しやすくなります。
四季報で候補を選んだ後は何をしますか?
四季報だけで投資判断は完結しません。候補企業の決算資料や決算説明資料を読み、最も利益に貢献している事業、その事業の成長率、成長した理由を確認します。
四季報は入口、企業分析は本番です。事業構成・成長率・製品力から企業を見分ける方法まで進み、四季報で見つけた変化が実際の利益へつながっているかを確かめます。
投資家は何を確認すべきですか?
四季報を開いたら、最初から文章をすべて読もうとしないことです。チャート、営業利益成長率、PER、業績材料、事業内容の5点で候補を拾い、付箋を使って2周します。
私は、四季報は「宝の地図」というより、「宝がありそうな場所へ印を付ける地図」だと思っています。印を付けた後に決算資料を読み、企業の利益構造を調べて初めて、他の投資家と違う自分の判断ができます。
いかがだったでしょうか。会社四季報は奥深いですよね。まずは1ページ目から読み込まず、気になる企業を探すつもりでページをめくってみてください。
会社四季報の使い方について、よくある質問は何ですか?
四季報は紙版とオンライン版のどちらが使いやすいですか?
どちらでも確認できます。私は多くの企業を短時間で見比べ、付箋を残せるため、一次スクリーニングでは紙版を使いやすいと感じます。
四季報だけで投資先を決めてもよいですか?
四季報は候補探しに使います。投資判断の前に、決算資料やIR情報で利益貢献事業、成長率、成長理由を確認します。
「プロ厳選銘柄」の特集だけを見てもよいですか?
私は、それだけを候補選びの中心にはしません。四季報の価値は、まだ自分が知らない企業を自分の基準で探せることにあります。
低PERの企業を優先すればよいですか?
PERの低さだけでは判断できません。営業利益成長率と並べ、利益成長に対して現在の株価評価が高いか低いかを確認します。
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※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買や投資手法を推奨するものではありません。記載内容は執筆時点の見解であり、将来の運用成果を保証するものではありません。投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任で行ってください。





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