「株式投資中級者へ」損切りできない、買い増しってどうやるの?
- 神谷拓
- 8月24日
- 読了時間: 7分

はじめに:なぜ、私が損切りと買い増しを教えるのか?
こんにちは!KABU-ACA(カブアカ)講師、神谷拓です。
もしあなたが今、手元に個別株があるとして、「なぜかいつも損ばかりしている…」と感じていたら、どうしますか?
インデックス投資から個別株へ一歩踏み出してみたものの、損失が出て損切りもできず、投資の判断に自信がない…。そんな株式投資中級者の方に、今日はぜひ知ってほしいことがあります。それは、老後資金や資産形成に欠かせない、『負けない投資家』になるためのリスク管理の鉄則です。
結論から言います。 株式投資で勝ち続けるには、「利益が出ている株は買い増し、損失が出ている株はすぐに損切りする」というシンプルなルールを徹底することです。これこそが、あなたの投資失敗から再挑戦を成功させるための最も重要な考え方です。
プロスペクト理論の罠:なぜ私たちは損切りが苦手なのか?
「損小利大(そんしょうりだい)」という言葉を聞いたことはありますか?簡単に言えば、「損は小さく、利益は大きく」ということです。しかし、多くの投資家、いやほとんどの人間は、その真逆の行動をとってしまいます。
ちょっと考えてみてください。もし、下記の保有株を持っていたら、あなたはまずどれから決済しますか?

A株 +50%
B株 +20%
C株 -20%
D株 -10%
E株 +5%
さあ、10秒考えてみてください。
…いかがでしたか?
多くの人が最初に売るのは、+50%のA株や+20%のB株ではないでしょうか。そして、「いつかは戻るだろう」「もう少し待てばプラスになるはず」と信じて、-20%のC株や-10%のD株を持ち続けてしまいます。
これは、行動経済学で有名な「プロスペクト理論」が深く関係しています。
【プロスペクト理論とは?】
プロスペクト理論は、人間が損失を避けることを強く好み、利益を得ることよりも損失を避けることに価値を見出すという心理傾向を説明するものです。具体的には、以下の特徴があります。
利益が出ているとき: 小さな利益でも早く確定したがり、「せっかく出た利益がなくなるのは嫌だ」という感情が優位になります。
損失が出ているとき: 損失を確定させることを極端に嫌がります。「損切り」をすると「負けを認める」ことになるため、それを避けようとします。
この人間の本能ともいえる心理こそが、投資失敗へとつながる最大の原因であり、株式投資で勝てない理由の多くを占めています。
私の失敗談:アプリを削除しても含み損は「おともだち」
何を隠そう、私も全く損切りができない人物でした。「含み損はまだ確定していない損だから大丈夫」と自分に言い聞かせ、いくつもの「大怪獣」を育て上げた経験を持っています。
含み損というのは、精神衛生上非常によくありません。
私も以前、仕事中もずっと含み損が気になって、証券会社のアプリばかり見ていた時期がありました。精神状態が悪い時に、まともな投資判断なんてできるはずがありません。そんな悪い子(損失株)は、すぐにでも「さよなら」すべきです。
皆さんも経験があると思うのですが、含み損が膨らむと、証券会社のアプリを開けるのが怖くなりますよね。
私もそうでした。いつか、ずっと見なければいつかは上がるかもしれないと思い、証券会社のアプリを削除したこともありました。そして、2ヶ月間放置。祈るような気持ちでアプリを開けてみましたが…残念ながら、含み損はおともだち。含み損はさよならしてくれず、私と共にそこにありました。むしろ、さらに膨らんで。
この苦い経験から、私は「損切り」というスキルがいかに重要か、痛感しました。損切りはいつも正しいです。 悪い損切りなど存在しません。もし損切りした後に株価が上がってきたとしても、決算の数字がいい限りは、その銘柄はあなたの候補であり続けます。落ち着いて、また買い直せばいいだけです。
お別れは早めに。悪い子は『怪獣』になる前に手放す
株式投資の鉄則は、優等生だけを残すこと。
先ほどの例で言えば、最初に決済すべきは-20%のC株、次いで-10%のD株です。
なぜなら、株式投資の鉄則では、まず自分の保有株で最初に決済すべきは、最もパフォーマンスが悪いものだからです。優良なもの、つまり利益が出ているものを残し、利益が出ないものを早々に損切りを行う。これが最も重要です。
D株(-10%)も損を出している悪い子です。怪獣に育つ前に「さよなら」を告げ、あなたのポートフォリオからはプラスのものだけを残してください。 利益が出ている株、つまり優等生のみを残す。これが鉄則です。
優秀な子は、どんどん育てる!買い増しで資産を雪だるま式に増やす
悪い子を手放して得た資金は、どう使うべきでしょうか?
それは、優等生(利益が出ている株)を買い増すことです。
多くの株式投資中級者は、利益が出ている株を売ってしまい、その資金で負けている株を買い増してしまいます。これは、典型的な負けパターンです。
いい株はどんどん買い増す、悪い株はすぐにさよならする。 この姿勢を身につけてください。
最初に株を買うときは、最小単位からスタートしてください。そして、利益が出たら、その優等生をどんどん買い増していくのです。
買い増しのタイミングですが、下記の青丸を参考にしてください。移動平均線にタッチしてそして反発した時がもっといいタイミングです。
もしくは、移動平均線を一度突き破って、また反発して移動平均線を突き破って上がる時でも構いません。
少し反発したところというのがミソです。
タッチした瞬間だとそのまま下落していくパターンが多いです。そのため、移動平均線で反発したところを狙うようにしてください。
ここが買い増しのパターンです。

利益が出ている銘柄は、市場から高く評価され、トレンド的にも上昇傾向にあるものです。こうした勢いのある銘柄をどんどん買っていく姿勢が重要ですし、これが成長株投資の秘訣でもあります。結果として、パフォーマンスが悪い株は株数が少なく、利益が出ている株は株数が非常に多くなるポートフォリオが理想です。
よくある質問(FAQ):損切りと買い増しの具体的なギモン
Q1. どのくらいのマイナスで損切りすべき?
A. これに絶対の答えはありません。「感情的に簡単に損切りできるレベル」という自分なりのラインを引くことが重要です。例えば、「-5%になったら無条件で売る」といった明確な線引きを、購入前に決めておくのも有効です。損切りは必要経費だと割り切りましょう。
Q2. 買い増しのベストタイミングは?
A. 買い増しは、もちろん「いい決算」が出続けていることが大前提です。その上で、「押し目」を狙うのが効果的です。特に、移動平均線に近づき、少し反発したタイミングが理想的です。
Q3. 損切りした後に株価が上がったらどうすればいい?
A. 損切りはいつも正しいです。 まずは損を切り離すことを優先してください。損切りした後に株価が上がっても、気にしなくていいです。企業の決算や成長性に変化がなければ、その銘柄はあなたの候補銘柄であり続けます。上がってきたら、また買い直しすればいいだけです。一度損切りした銘柄を「二度と買わない」と決めてしまう必要はありません。大切なのは、冷静な判断力を保ち、ルールに基づいた行動を続けることです。
まとめ:『独学の限界』を乗り越え、再現性のある投資へ
「なんとなく」投資をして、損切りできずに悩んでいるあなたへ。
今回お話しした損切りと買い増しのルールは、投資失敗から再挑戦する上で不可欠な、ごく一部の知識に過ぎません。しかし、この小さな一歩が、老後資金や資産形成に対する漠然とした不安解消の大きな第一歩となります。
独学で株式投資に限界を感じているなら、ぜひ一度、体系的な学びの場に身を置いてみてください。
KABU-ACAでは、「なんとなく買って損ばかりしている」そんなあなたにこそ、再現性のある企業分析や個別株 選び方の技術をわかりやすく伝えています。感覚やギャンブルではなく、「考えて選ぶ投資家」として株初心者 脱却し、あなたの資産を力強く育てていきましょう。
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