「100万円」を最短で増やす「割安成長株」集中投資の極意
- 神谷拓
- 8月14日
- 読了時間: 9分

こんにちは!KABUACA(カブアカ)講師、神谷拓です。
もしあなたが今、手元に100万円の投資資金を持っているとして、「これを1年で2倍にしたい」と考えたら、どうしますか?
新NISAでインデックス投資を始めている方は、きっと「そんなに短期間で増やすなんて無理だ」と感じるかもしれません。
その考えは正しいです。
インデックス投資は、時間をかけて着実に資産を増やすための素晴らしい戦略です。しかし、「できるだけ早く資産を増やしたい」と考えるなら、挑戦してみる価値のある戦略があります。
私の投資スタイルは、インデックス投資を土台とした「コア・サテライト戦略」です。
今回は、せっかちな投資家のみなさんのために、資産を大きく増やすことを目指す「サテライト」部分だけを抜き出して解説してみましょう。
今日は少し刺激的な内容ですが、私が考える「最短で資産を倍にする」ための集中投資戦略についてお話しします。
大前提:早く儲けたいなら個別株への「集中投資」しかない
私が考える資産を短期間で大きく増やす唯一の方法。それは、「割安な成長株」に集中投資することです。
ただし、この方法はハイリスク・ハイリターンです。最悪の場合、投資したお金をすべて失う可能性もあることを十分に理解し、「失ってもいい」と思える余裕資金で挑戦してください。
なぜなら、分散投資はリスクを抑える代わりに、個別の銘柄が大きく上昇しても、全体のパフォーマンスへの影響が薄まってしまうからです。
成功の鍵は「割安成長株」を見つけ出すこと
では、具体的にどのような銘柄に投資すればいいのでしょうか。ポイントは以下の3つです。
1. 割安なのに高成長な「スーパー銘柄」を探す
まず、株価がその企業の価値に比べて安いかどうかを判断する指標にPER(株価収益率)があります。PERを小学生にもわかるように説明するなら、「今の株価が、1年間の利益の何倍か」を表す数字です。
PERは、以下の計算式で求められます。
PER(倍)= 株価 ÷ EPS(一株あたりの利益)
PERは「株価収益率(Price Earnings Ratio)」といって、
かんたんに言うと 「会社の株が、今の儲けに比べて高いか安いかを表す数字」 です。
たとえば、
「1年間で1000円もうけられる」って書いてあるレモネード屋さんがあります。
そのお店を買うために、友だちが「株」を売っています。
もしその株が1枚 1万円だったら…
PERの計算
1万円(株の値段) ÷ 1000円(1年間のもうけ) = 10
つまり「この株は、お店の1年分のもうけの10年分の値段がついている」ということ。
さらに、ここで出てくる「EPS」もわかりやすく説明しましょう。
EPS(1株当たり利益)とは、「会社が稼いだ利益を、発行している株数で割ったもの」です。つまり、1株がどれだけの利益を稼いだかを示しています。
例えば、ある企業が1000株の株券を発行していて、1年で1000円の利益を上げていれば、その一枚あたりの株券に配分可能な利益は一円です。
EPS(一株あたりの利益)=企業の利益(当期純利益)➗ 発行株式数
PERが低いほど株価は割安と判断できますが、PERだけを見てはいけません。
PERが低くても、利益が伸びていない企業は「万年割安株」として放置されてしまうことがあります。
そこで重要なのが、成長株であることです。
そんな株あるの?って思うかもしれませんが、日本には意外にいっぱいあります。特に時価総額が500億円以下の小型株に多いです。
成長株とは、営業利益の成長率が高い企業のこと。成長率が高ければ高いほど、将来の利益が増える期待が高まり、PERが高くても株価が大きく上昇する可能性があります。
この2つを組み合わせることが重要です。PERが15倍の銘柄を選ぶなら、営業利益成長率は30%以上は欲しいところです。PERよりも営業利益成長率やEPS成長率が50%〜100%といった高成長を続ける企業は、株価が爆発的に上昇する可能性があります。
成長性を確認する際は、損益計算書を見てください。特に「営業利益成長率」と「売上高成長率」が前年同期比で伸びているかを必ず確認しましょう。
ただし、注意が必要です。その高い成長率が今後も続くかどうかを必ず確認してください。事業内容をしっかりと読み込み、その成長が一過性のものではなく、長期的に続く事業なのかを見極めることが非常に重要です。
例えば、その会社が新しい事業で利益が出始めている、新製品を発売した、といった何かその会社の成長の源泉が何かを探してみてください。
なぜこの企業はこんなに成長を始めたのか?という変化です。
変化は非常に重要です。
会社の買収や株や資産の売却などの一過性の利益ではないということ、これは継続的に利益成長しそうな変化がこの会社に起きているということを決算短信や決算書を読んで確認してください。ここは非常に重要です。
変化が起きている企業というのは投資家から、徐々に株価の再評価がされ、株が一段と伸びていきます。
2. 市場の「追い風」が吹いている分野を選ぶ
株価は、企業の業績だけでなく、市場全体のテーマやトレンドにも大きく影響されます。多くの投資家から注目され、資金が集まるテーマに乗ることで、株価の上昇スピードはさらに加速します。
今で言えば、AI関連銘柄が代表的です。ただし、AI半導体を直球で買うよりも、少しテーマをずらすほうが良いかもしれません。
昨年度も大いに盛り上がったAI関連株は、すでに多くの投資家が注目しています。そこで、他の投資家と自分の投資アイデアがなるべく重ならないように、「風が吹けば桶屋が儲かる」の思考法を取り入れてみましょう。
「AIの投資が今後も進むと、どんな業界が儲かる?恩恵を受けるのはどこか?」
AI技術の普及には、膨大な電力を必要とするデータセンターの増設が不可欠です。となると、データセンターの建設や運営に関わる企業、それに必要な電気設備メーカーなどが恩恵を受ける可能性があります。さらに、AIを動かすための冷却システムや、データを送るためのネットワーク機器なども需要が高まるでしょう。
このように、トレンドの「直球」ではなく、その周辺で恩恵を受ける「変化球」銘柄を探すことで、他の投資家が見落としている成長の種を見つけられる可能性が高まります。
3. 買い時を逃さない
集中投資で最も重要なことの一つが、買い時です。どれだけ良い銘柄を選んでも、高値掴みをしてしまえば利益を出すのは難しくなります。
狙うべきは、市場全体が暴落した時です。
市場全体がパニックになっている時は、優良な成長株も一時的に売られ、株価が大きく下がることがあります。この「バーゲンセール」の時期こそ、集中投資の絶好のチャンスです。
ただし、このやり方は上級者編です。株が大きく下落している時は、ニュースやSNSも悲観モードになり、株を買う人が誰もいない状況になります。そのときにあなたは他の投資家と違う行動ができるかが勝負の分かれ目になります。
また、この暴落時を見極めるには、VIX指数やFear & Greed Indexといった指標が役立ちます。
VIX指数: 「恐怖指数」とも呼ばれ、市場のボラティリティ(変動率)を示します。通常は20以下で推移しますが、30以上になったら、市場が極度に恐怖を感じていると判断できます。
Fear & Greed Index: 市場のセンチメント(投資家心理)を表す指数です。この指数が「Extreme Fear(極度の恐怖)」に振り切れた時が、絶好の買い時となります。
(Fear & Greed Indexで検索すると出てきますが、URLを載せておきます)
具体的な投資戦略:3銘柄に絞って勝負する
「100万円を1年で倍にする」という目標を達成するためには、分散投資は向きません。
私が実践するなら、3銘柄くらいに絞って集中的に投資します。 自分が「これだ!」と確信を持てる銘柄に全力を注ぐのです。もし、3つのうち1つが大きく上昇すれば、全体のリターンも大きく引き上げられます。
私は六銘柄くらいがお勧めだと思っていますが、もしあなたの資金が少ない場合は3銘柄でやってみましょう。ただし、ハイリスクハイリターンなのはお忘れ無く。
分散したほうがリスクが下がりますが、リターンも下がります。
分散するときに、業界は必ず分けてください。銀行業、自動車業、サービス業など銘柄の業界は必ず分けることをわすれないでください。
投資後は必ず「決算」をチェックし続ける
銘柄を売買する上で、最も重要なのが「決算チェック」です。企業は年に4回、決算を発表します。
この決算を必ずチェックし、利益成長率が維持できているかどうかを確かめてください。なぜなら、私たちがその銘柄に投資した最大の理由が、「今後も利益が成長し続ける」というストーリーだからです。
もし、決算を見て利益成長率が維持できていないと感じたら、それは黄色信号です。株価を動かす原動力に陰りが見え始めたと判断し、速やかにその銘柄を売却してください。
そして、新しい「スーパー銘柄」を探し始めるのです。
「100万円を倍にする」ための具体的な手順
最後に、今回の戦略を実践するための具体的な手順をまとめました。
余裕資金の確保
まず、「失ってもいい」と思える100万円の資金を用意します。生活費や老後資金には絶対に手をつけないでください。
市場のトレンドを分析
AIやDX、国策、社会問題など、今後数年間で成長が期待できる市場の「追い風」を特定します。
多くの人が注目する直球テーマだけでなく、「風が吹けば桶屋が儲かる」の思考で、関連する周辺業界や企業を探します。
割安成長株の候補を探す
スクリーニングツールを使い、営業利益成長率が30%以上、できれば50%以上といった高成長企業をリストアップします。
次に、そのリストの中からPERが比較的低い(割安な)企業を絞り込みます。
事業内容とストーリーの深掘り
候補企業について、損益計算書や、決算短信や決算説明書を読み込み、なぜ成長しているのか、その成長が一過性ではないかを分析します。
自分が納得できる「利益成長のストーリー」が描けるかを確かめます。
買い時を待つ
投資したい銘柄が決まっても、焦って買わないでください。VIX指数やFear & Greed Indexが「極度の恐怖」を示した時を狙い、市場が暴落するのを待ちます。
基本は他の投資家と同じときに買わない。他の投資家が売っているときに自分は買うという逆張りの心を持ってください。
集中的に投資を実行
資金を3銘柄程度に絞り、投資します。
決算が来るたびに数字のチェック
四半期ごとの決算を必ずチェックします。
営業利益成長率や売上高成長率が維持できなくなったら、速やかに売却し、次の銘柄を探すサイクルを回し続けます。
成長率を維持し続けるというのが重要です。
まとめ|集中投資は「正しい知識」と「勇気」が必要
「100万円を短期間で倍にする」という目標は、簡単なことではありません。
しかし、割安成長株を見抜く力、市場のトレンドを捉える目、そして勇気を持って行動する力があれば、実現は不可能ではありません。
今回お話しした内容は、私の投資スタイルのほんの一部です。まずは、ご自身で「これは!」と思える銘柄をじっくりと探してみてください。
負けない投資を続けていれば、自然に利益は出てきます。まずは「企業の将来性を見抜く力」という土台を固め、そして「コア・サテライト戦略」で資産を大きく育てていきましょう。
KABUACAでは、この投資戦略を実践するための、ファンダメンタルズ分析の基礎から、個別株選びの全手順までを丁寧に解説しています。
「インデックス投資だけじゃ物足りない」「なんとなく買って損ばかりしている」そんなあなたにこそ、本質的な投資術を学んでほしい。
講座一覧












コメント