株で負けてばかりです。どうして株で勝てないの?
- 神谷拓
- 8月1日
- 読了時間: 7分
更新日:8月10日

はじめに:株式投資歴20年の私が「今」伝えたいこと
こんにちは!KABUACA(カブアカ)講師、神谷拓です。私自身、株式投資歴20年、これまで100人以上の方の個別指導を通じて、たくさんの投資家さんと向き合ってきました。
もしあなたが「なんでか分からないけど、個別株だといつも損ばかり…」「新NISAでインデックス投資は始めたけど、個別株でもっと増やしたいのに、なかなか勝てない…」と感じているなら、今日の話はあなたのためのものです。
これから、あなたが株式投資で「負け続ける」根本的な理由と、その悪循環を断ち切る「唯一の方法」について、私のリアルな失敗談も交えながら、赤裸々にお話ししていきたいと思います。
短期トレードで勝つのは「ほぼ不可能」な理由
株式投資を始めたばかりの頃は、誰もが「すぐに儲けたい」「短期で大きく増やしたい」と思いますよね。私もそうでした。今日買って明日上がる、来週には倍になる…そんな夢を見ていました。
しかし、結論から言います。短期トレードで継続的に勝ち続けるのは、私たち個人投資家にとっては、ほぼ不可能に近いことです。
なぜなら、短期的な株価の動きは、企業の業績とはほとんど関係ありません。むしろ、市場の感情、ニュース、大口の売買、AIによる高速取引など、予測不能な要素で揺れ動く「ノイズ」の塊だからです。
そんな「運任せ」のギャンブルのような市場で、常に勝ち続けることなどできるわけがないのです。もし短期トレードで勝てている人がいるとすれば、それは再現性のない「たまたま」か、情報戦で圧倒的に有利なプロ中のプロ、あるいは、ごく一部の天才トレーダーだけでしょう。
人間の「本能」が株式投資の邪魔をする?プロスペクト理論の罠
では、なぜ多くの個人投資家は短期トレードで負け続けるのか?その根底には、私たちの「人間心理」が大きく関係しています。
行動経済学に「プロスペクト理論」という有名な理論があります。これは、人は利益を得る時と損失を被る時とで、意思決定の仕方が変わる、というものです。簡単に言うと、こんな特徴があります。
利益が出ている時: 利益を早く確定させたい(得られる喜びよりも、その利益が消える悲しみの方が大きい)
損失が出ている時: 損失を確定させたくない(損を確定することによる痛みが、さらに損が広がるリスクよりも大きく感じる)
つまり、人間は「少しの利益でもすぐに確定したがる」のに、「少しの損はなかなか確定したがらない」という、株式投資とは「最悪な相性」の本能を持っているのです。
例えば、あなたが10万円で買った株が11万円になったら、「よし、1万円の利益!これ以上下がったら嫌だから、今のうちに売っちゃおう!」とすぐに売ってしまう。でも、同じ株が
9万円に下がったら、「いや、これは一時的なものだ」「きっとまた上がるはず」と考えて、なかなか損切りできない。結果として、損はどんどん膨らんでいく…。
まるで、私たちの脳が「株で負けろ!」と指令を出しているかのようですよね。
私の「塩漬け株」伝説:人間心理に抗えなかった過去
私も、まさにプロスペクト理論の罠にハマり続けた一人でした。
「損を確定させる」という行為が、本当に、本当にできなかったんです。
業績はいいはずだから伸びるはず。。。
そんな銘柄をずっと保有し続けたことがあります。
その名は「マクロミル」(現在は上場廃止しております。)
ウェブマーケティングの老舗の会社でインターネット黎明期からあるので知っている方も多いと思います。
私がこの銘柄を見つけた時は、私は毎年10%程度の成長をしており安定的な株だと思っていました。(今考えれば、もっと分析すべきだったし、自分が見えていない欠点があったのかもしれません)
この会社は買った瞬間から毎日下がり続けました。
きっと明日は上がるはず。(毎日思ってました)
しかし、ほんの少しだけ上がって、またずるずると下がり始まる。毎日少しずつ下がる。どーんと下がってくれれば、また損切りできるのに、毎日0.5%-1%とちょっとずつ下がっていく。

まさに茹でガエル状態。
マイナス10万円、マイナス20万円、マイナス30万円…。
どんどん損が大きくなってきていく。
最初は可愛らしい含み損も、どんどん手のつけられない大怪獣へとなっていきます。

「きっといつか上がるはず…」そう思い続け、その株は私の「塩漬け株」として、証券口座の奥底で何年も眠り続けました。
数年後、口座を整理する際に、ついに諦めて損切りしました。その額は、当時の私の給料の何ヶ月分にも相当する、本当に痛い損失でした。
まさに、プロスペクト理論の典型的な失敗例です。
この苦い経験は、非常に大きな学びでした。
プロスペクト理論の「逆」を行け!損小利大の鉄則
私たちはこの「人間心理の罠」を知り、プロスペクト理論の逆を行かない限り、株式投資で勝ち続けることはできません。
それが、株式投資における「損小利大(そんしょうりだい)」という鉄則です。
損切りは素早く、潔く!
利益が乗った銘柄は、とことん保有する!
損失が出た銘柄を持たないでください。
自分のポートフォリオ(持ち株)は全部プラス。常にこの状態を維持してください。(←ここ重要ポイント!試験に出ます)

このシンプルなルールを徹底するだけで、あなたの投資成績は劇的に変わるはずです。
儲けることよりも、まず負けないこと。負けなければ事前と利益が出るようになる。
損切りは「心理的にできる金額」か「明確なライン」で
損切りは、あなたが心理的に「これなら受け入れられる」と思う金額、または「購入価格から−5%」といった明確なラインを事前に決めておくのが重要です。
損切りした途端に株価が上がる…という経験、ありませんか?あれは本当に悔しいですよね。でも、もしそうなっても、決して後悔してはいけません。「損切りした株が、その後、業績に何の変化もなく再び上昇した」のであれば、堂々と再購入してください。
なぜなら、私たちが目指すのは2倍、3倍といった大きな利益です。数%の上下は誤差に過ぎません。短期的な上げ下げに一喜一憂せず、「損は最小限に抑え、利益は最大限に伸ばす」ことに集中してください。
利益が乗った銘柄は「保有」し「買い増し」する
多くの個人投資家は、少し利益が出るとすぐに売ってしまいます。しかし、これは非常にもったいない行為です。
本当に「いい銘柄」であれば、その利益は継続的に拡大していく可能性があります。利益が乗った銘柄は、決算や市況に明確な悪化の兆候がない限り、持ち続けてください。
むしろ、利益が乗ってきている銘柄は、状況に応じて「買い増し」を検討してください。
これまでの投資で得た利益で、さらにその「勝ち馬」の枚数を増やしていくのです。そうすることで、あなたが掴んだ一つの「いい銘柄」が、あなたの資産を大きく飛躍させてくれるでしょう。
「ただの下落」が「退場」の始まりになる前に…
短期で株価の上げ下げを予測し、それを繰り返して利益を出すことは非常に難しいことです。
なぜなら、「ちょっとした下落」だと思っていたものが、実は「長い下落トレンドの始まり」だった、ということが株式市場では頻繁に起こるからです。
そして、そのような大きな下落に巻き込まれてしまい、耐えきれないほどの損失を抱えて「塩漬け株」を作り、結果として株式市場から「退場」してしまうことが、多くの個人投資家が陥る最も大きな落とし穴なのです。
そうならないためにも、今日お話しした「損小利大」の原則を胸に刻み、徹底した企業分析とリスク管理を学ぶことが、あなたの投資人生を大きく変える鍵となります。
まとめ:負け続ける悪循環を断ち切り、資産形成のスピードを加速させませんか?
「株式投資でなかなか結果が出ない…」 「企業分析や財務分析ってどう学べばいいの?」 「個別株の選び方、講座でしっかり学びたい」 「投資失敗からやり直して、今度こそ勝ちたい」
もしあなたがそう感じているなら、それは決して一人ではありません。多くの投資家が同じ壁にぶつかっています。そして、その壁を乗り越えるために必要なのは、「再現性のある正しい知識」と「心理に打ち勝つ戦略」です。
KABUACA(カブアカ)では、株式投資の「上級者」を目指すあなたのために、私の20年の投資経験に基づいた実践的な講座を提供しています。
単なる座学ではなく、企業分析、財務分析の具体的な学び方から、個別株の選び方の全手順まで、あなたの「負けパターン」を断ち切り、「勝ちパターン」を構築するためのノウハウを、一つひとつ丁寧にサポートさせていただきます。
もう「なぜあなたは負け続けるのか?」と自問自答するのは終わりにしませんか? 今こそ、あなたの投資を根本から見直し、着実に資産を増やしていく第一歩を踏み出しましょう。
初心者でも安心企業の利益を見抜くプロの株式投資術











コメント