低PER株を買っても株価が上がらないのはなぜですか?
更新日:8月30日

こんにちは、KABU-ACAの神谷です。
低PERの株が良い、割安な株が良いと聞いて買ったのに、株価がまったく上がらない。それどころか、さらに下がってしまった経験はありませんか。
私も投資を始めた頃、低PER企業の一覧をそのまま信じて失敗しました。PERは重要な指標ですが、低いという理由だけで企業を選ぶと、「なぜ安く評価されているのか」という最も重要な点を見落とします。
結論から言えば、PERは利益成長率とセットで見ます。さらに、その利益成長が一時的なものではなく、今後も続く理由があるかを企業分析で確認します。
PERとは何を表す指標ですか?
PERは株価収益率のことで、株価が1株当たり利益、つまりEPSの何倍まで買われているかを示す指標です。
PER(倍)=株価÷EPS(1株当たり利益)
例えば、ある企業のEPSが100円、株価が1,000円なら、PERは10倍です。ざっくり言えば、現在の利益水準に対して株価が何年分に相当するかを見るイメージです。
PERが低ければ、利益に対して株価が相対的に低いことを示します。しかし、それだけで「本来の価値より安い」とは判断できません。成長性、利益の持続性、業種、金利などによって、妥当なPERは変わるからです。
割安指標にはPBRもあります。PBRは株価を1株当たり純資産で割る指標ですが、帳簿上の資産価値と実際に売却できる価値が同じとは限りません。資産内容を詳しく見る必要があるため、私は銘柄探しではPERを中心に使っています。
なぜ低PER株を買っても株価が上がらないのですか?
低PERの企業は、市場から「今後の利益が伸びにくい」「現在の利益を維持できない」と評価されている場合があります。割安に見える企業には、安く評価されている理由があるということです。
私も駆け出しの頃、東洋経済の雑誌に載っていた「低PERの割安企業リスト」をそのまま信じて、大失敗した経験があります。
大学生の頃、ある企業でアルバイトをしていました。その会社には、関連する新聞や雑誌の記事を集め、冊子にまとめる仕事がありました。そこで見つけた東洋経済の雑誌に、低PER企業の一覧が載っていたんです。
私はそのページをこっそりコピーして家へ持ち帰り、宝の地図のように大切に保管しました。お金ができたとき、一覧の上位にあり、自分でも買える金額の株を選びました。
しかし、結果は散々でした。株価は下がり続け、割安株を買ったはずなのに、まったく利益になりませんでした。
原因は、PERを単体で見ていたことです。その会社の利益が伸びているか、なぜ低く評価されているかを確認していませんでした。
PERと利益成長率はどう組み合わせますか?
PERと成長率を組み合わせた考え方に、PEGレシオがあります。
PEGレシオ=PER÷利益成長率
一般に、PEGレシオが1を下回ると成長率に対して株価評価が低く、1を上回ると高いと見る方法があります。PERと成長性を同時に確認できる点が便利です。
ただし、利益成長率の取り方は一つではありません。予想EPSの成長率を使う場合もあれば、過去数年間の平均成長率を使う場合もあり、情報サイトによって数字が違うことがあります。
そのため私は、PEGレシオの数字だけで判断せず、PERと利益成長率を直接並べます。「どの期間の、どの利益を使った成長率なのか」を自分で確認するためです。
EPS成長率と営業利益成長率はどう使い分けますか?
PERは株価をEPSで割る指標なので、PERと直接対応するのはEPS成長率です。EPSが継続的に伸びる企業では、PERとEPS成長率を比較できます。
一方、EPSは特別利益や特別損失、税金、発行済み株式数の変化などによって動くことがあります。そこで私は、本業の成長を確認するために営業利益成長率も見ます。
営業利益は、本業でどのくらい稼いだかを示します。EPSと営業利益の両方が伸びていれば分かりやすいですが、動きが違う場合は、その理由を決算資料で調べます。事業構成と利益成長を決算書で確認する方法も合わせて確認してください。
神谷流ではPERと成長率をどう比較しますか?
これは理論的な適正株価の計算式ではなく、私が20年の投資経験から使っている一次スクリーニングの目安です。
・PERが10倍なら、営業利益成長率が20%程度あるか
・PERが50倍なら、営業利益成長率が100%程度あるか
・少なくとも、PERの数字を利益成長率が上回っているか
例えばPER10倍・営業利益成長率20%の企業なら、なぜ利益が伸びているのかを次に調べます。PER50倍の企業には非常に高い成長期待が含まれているため、それに見合う利益成長が続くかを厳しく確認します。
営業利益の成長が最終利益とEPSの成長へつながり、株価が変わらなければ、計算上のPERは低下します。その状態が投資家に評価されれば株価が見直される可能性がありますが、成長率だけで株価上昇が保証されるわけではありません。
ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析の使い分けでも説明したとおり、企業の利益成長を先に確認することが土台です。
利益成長が今後も続くかは何を見れば分かりますか?
利益成長率が高くても、一度だけの値上げ、一時的な需要、特別な受注による増益なら、次の決算では成長が止まることがあります。
決算資料や決算説明資料には、なぜ利益が伸びたのかが書かれています。その文章を読み、需要の拡大、販売数量、価格改定、新製品、生産能力など、成長した理由を確認します。
そして、その理由が次の四半期、その次の四半期にも続きそうかを自分で判断します。数字を見つけるだけでなく、数字が変化した理由を読む習慣が必要です。
会社四季報で候補企業を絞る方法を使い、候補を見つけた後に決算資料で成長理由を深掘りするのが私の流れです。
投資家は低PER株の何を確認すべきですか?
低PER株を見るときは、次の3点を確認してください。
・なぜ市場から低く評価されているのか
・EPSと営業利益はどのくらい伸びているか
・利益が伸びた理由は今後も続くか
PERは銘柄を選ぶ答えではなく、企業を詳しく調べる入口です。「こんなに低PERなのになぜ誰も買わないのか」と思ったら、割安と決める前に、その理由を探してください。
低PER株と利益成長率について、よくある質問は何ですか?
PERが低ければ割安株と判断できますか?
低PERは利益に対して株価が低いことを示しますが、成長鈍化や減益予想が理由の場合もあります。低い理由の確認が必要です。
PEGレシオが1未満なら株価は上がりますか?
株価上昇を保証する指標ではありません。使用する成長率の期間や定義を確認し、利益成長が続く理由も併せて判断します。
PERにはEPSと営業利益のどちらを使いますか?
PERの計算にはEPSを使います。私はそれに加え、本業の成長を確認するため、営業利益成長率も補助的に比較します。
赤字企業のPERはどう見ればいいですか?
EPSがマイナスの赤字企業では、通常のPER比較はできません。売上、損益改善、資金繰りなど別の指標で確認します。
低PERという言葉だけを見ると、安く買えるように感じます。しかし、私が大学生の頃に経験したように、安い理由を調べない投資は、宝の地図ではありません。
PERと利益成長率を並べ、さらに成長理由まで確認する。この手順を繰り返すことが、表面的な割安株選びから抜け出すための基本だと私は考えています。
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※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買や投資手法を推奨するものではありません。記載内容は執筆時点の見解であり、将来の運用成果を保証するものではありません。投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任で行ってください。





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