「真面目に働いてきたのに、なぜ?」ミドル世代が感じる違和感の正体
- 神谷拓
- 10月31日
- 読了時間: 7分

毎朝、電車に揺られながら思うこと
いつもの電車の中、考えることがあるだろう。
「こんなに働いているのに、なぜ苦しいのだろうか。なぜ将来の不安は拭えないのか」
新卒から20年-30年以上、真面目に働いてきた。遅刻もせず、上司の指示にも従い、ときには残業も厭わなかった。でも、貯金はなかなか増えない。子どもの教育費はかさむ一方で、老後の不安は消えない。
これは、自分だけの問題なのだろうか。
いや、違う。同世代の友人たちも、同じような違和感を抱えている。「頑張っても報われない」という、重たい空気を感じている。
バブル期とは何が違うのか
考えてみれば、日本のバブル経済の時代は違った。1980年代後半、企業が儲かれば労働者もしっかりと恩恵を受けられた。終身雇用と年功序列が機能し、ボーナスで家電を買い替え、マイホームを持つことが当たり前だった。
しかし今は何が起きているのか。
たとえば現在、AIバブルと呼ばれる好況がある。株式市場も盛り上がっている。日経平均株価はこの10年で約3倍に上昇した。2015年末に約1万9000円だった日経平均は、2025年10月には5万円を超える水準まで達している。
だが、私たちの給料はどうだろう。
2024年の春闘では賃上げ率5.1%と33年ぶりの高水準になった。2025年も5%以上の賃上げが続いている。一見すると良さそうに見えるが、実質賃金で見れば話は違う。2025年3月の実質賃金は前年比マイナス1.8%。物価上昇に賃金が追いついていないのだ。
株価は3倍になったのに、給料はほぼ横ばい。資産を持っている人はどんどん豊かになり、労働者との貧富の差は開いていく一方だ。
なぜ企業は儲かっても給料を上げないのか
この構造には、深い理由がある。
まず、税金・年金・社会保険料の負担が重い。日本企業は見た目以上にコストが重く、人を雇うことへの負担が増している。
そして何より、企業の考え方が変わった。バブル崩壊以降、日本企業はアメリカ型の経営に変わっていった。かつての「社員=家族」という家族主義経営から、「株主重視」の効率経営へとシフトしたのだ。
その結果、企業は利益を上げても、それを社員に還元するよりも株主への配当を優先するようになった。
実際の数字を見れば明らかだ。日本企業の労働分配率は、2000年度の60.9%から2019年度には54.9%に低下している。企業が生み出した付加価値のうち、労働者に分配される割合が減り続けているのだ。
今の若者やミドル世代は、この構造変化の煽りを真っ正面から食らっている。
日本の未来はもっと厳しくなる
さらに深刻なのは、この先20年の日本だ。
リーマンショック後、日本企業は投資をしてこなかった。内部留保は積み上がり続け、2023年度末には初めて600兆円を突破した。12年連続で過去最高を更新している。
東京証券取引所は、企業に対して「内部留保を溜め込むのではなく、投資をして産業を活性化してほしい」と改革を促した。しかし、多くの企業は配当金を増やす戦略を選んだ。未来への投資ではなく、株主への還元を選んだのだ。
その結果が、労働生産性の低さに表れている。OECDの統計によると、2023年の日本の時間あたり労働生産性は56.8ドル(約5,400円)。加盟38カ国中29位だ。主要先進7カ国では最下位である。
労働生産性が低いということは、労働者一人あたりが稼げる金額が少ないということだ。IT、AI、先端医療といった付加価値の高い分野で、日本は欧米に大きく遅れをとっている。
そして政治も同じだ。国家予算のほとんどは高齢者の医療費に使われている。若者への教育投資でもなければ、産業への投資でもない。国も企業も、未来に投資してこなかったのだ。
さらに追い打ちをかけるのが、円安だ。2025年10月、ドル円は154円台まで下落した。これは日本の財政悪化から、円の信認が落ちていることを意味する。
このまま進めば、今のような医療制度や年金は維持できなくなる。最悪の場合、セーフティネットすら崩壊する可能性がある。
給料一本だけでやっていくことが、どれほど危険なのか。もうお分かりだろう。
「給料1本」では生き残れない時代
ここで必要なのは、収入の軸を増やすことだ。
給料だけに頼るのではなく、別の収入源を持つこと。それが、この時代を生き抜く現実的な方法になる。
投資でもいい。副業でもいい。両方やってもいい。人間には得意不得意がある。自分に合った方法を選べばいい。
私自身、20年間以上投資をしているが、10年間は儲からなかった。投資がうまくいかないので、他の副業ビジネスも考えた。豆腐を作って売ろうとしたこともある。ハーブティーを作ろうとしたこともある。
日本で製造したものを海外で販売する物販ビジネスもやった。
この物販ビジネスは、大赤字で会社はなくなった。
会社は作るよりも潰すほうが大変だ。
世の中には起業の成功法は溢れているが、撤退の情報は少ない。
とにかく失敗しまくって、手元に残ったのは投資だけだった。
投資だけは続けることができた。好きだったのだろうと思う。
マーケットを分析し、企業の成長を調べるのが単純に面白かった。
そして今、KABU-ACAでは、趣味で調べたことをそのままアウトプットしているだけだ。仕事というより、好きなことを人に伝えている感覚なのだ。
副業も投資も、「一歩ずつ」しか進めない
もしあなたが「何か始めたい」と思っているなら、まず自分の好きなこと、得意なことをベースにしてほしい。
自分の人生の中で、人から言われて嬉しかったこと。以前は好きだったけどやっていなかったこと。なんでもいい。まずそれをSNSなどに書いてみることからスタートしよう。
私も最初は、投資が好きで勉強したことをSNSに投稿していただけだった。それが今では、仕事にもなり、仲間が集まり、学び合える場になっている。
投資も副業も、とにかく時間がかかる。1日、1週間で変わるものではない。でも1年間続けられれば、大きな成果になる。一歩一歩、毎日少しずつ積み重ねること。それ以外に方法はない。
投資なら、今すぐ新NISAを申し込もう。 いきなり個別株を選ばなくても大丈夫。まずは毎月1万円でもいい。積立投資から始めればいい。「時間」と「複利」の力が、あなたの未来を支えてくれる。
文句を言っても何も変わらない、変えられるのは自分だけ
ただ、声を大にして言いたい。
日本政府や企業に文句を言っても、何も変わらない。これは社会の流れであり、今後すぐに変わるものではない。変えられるのは、自分自身の行動だけだ。
自分と家族と周りを守れるのは、あなた自身しかいない。流されるのではなく、考えて行動してほしい。
「政府が悪い」「会社が悪い」と言っても、明日から社会が変わるわけではない。国の政策も、企業の方針も、数年単位で少しずつしか動かない。
だとしたら、今日から動けるのは自分だけだ。
1年後の自分に、プレゼントを贈ろう
40代、50代。確かに若くはない。
でも、人生はまだ30年以上ある。このまま何もせずに、政府政策や給料だけに頼って生きていくのか。それとも、今日から少しずつ、自分の未来を変えていくのか。
私たちは真面目に働いてきた。誰にも恥じることはない。
でも、「真面目に働く」だけでは足りない時代になった。それが現実だ。
バブル期は労働者も恩恵を受けられた。でも今、AIバブルで株価は3倍になっても、給料はほぼ横ばい。労働分配率は下がり続け、企業の内部留保は600兆円を超えた。
労働生産性はOECD38カ国中29位。国も企業も未来に投資してこなかった。円は154円台まで下落し、このままでは医療も年金も維持できなくなる。
だからこそ、今日から一歩を踏み出そう。
小さな行動でいい。新NISAの申し込みでもいい。SNSのアカウントを作ることでもいい。自分の好きなことを書き始めることでもいい。
投資も副業も、時間がかかる。1年間続けることで、初めて大きな成果になる。
1年後、あなたの人生は確実に変わっている。そして、「あのとき始めてよかった」と、きっと思えるはずだ。
あなたの未来を守るのは、あなた自身の行動だけです。
一歩踏み出した人だけが、次の時代を生き抜ける。今日が、その「はじめの一歩」になりますように。
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