top of page
検索

【11/1 週刊レポート】日経6%上昇でもあなたの株が上がらない理由〜半導体祭りの裏側と私の失敗談〜

市況分析レポート!
市況分析レポート!

KABU-ACA代表の神谷です。こんにちは。

(こちらは11/1に発行したメルマガの内容です。メルマガ購読を希望する方はぜひwww.kabu-aca.com/magazine)からご登録ください)

 

今週の日経平均は6%以上も上昇し、とても元気な一週間でした。しかし、「うちの株は全然上がってないんだけど...」と思った方も多いのではないでしょうか。実は、それには明確な理由があるのです。

今回のレポートでは、なぜ日経平均だけが上がっているのか、そして私自身が犯してしまった失敗談も包み隠さずお伝えします。

 

1. 今週の市場パフォーマンス概況(10/27〜10/31)

まずは、今週の各指数のパフォーマンスを見てみましょう。

 

【各指数の今週のパフォーマンス】

  • 日経平均株価 +6.31%

  • TOPIX +1.91%

  • NYダウ +0.75%

  • S&P500 +0.71%

  • ナスダック総合 +2.24%

  • ラッセル2000 -1.36%

     

日経平均が6%以上も上がっているのに、TOPIXは2%未満。それもそのはず、まったくTOPIXや、東証スタンダード、グロースにはこの株高は波及していません。つまり、ほんの一部の銘柄しかあがっていないのです。

 

2. なぜあなたの株は上がらないのか?〜株式市場の上昇には順番がある〜

今週の株高は、まさに「半導体祭り」でした。アメリカのAI投資への熱狂により、日本の半導体関連銘柄が連日高値を更新したのです。

ここで知っておいてほしい大切なことがあります。株式市場が上がるのには順番があるということです。

 

【株価上昇の順番】

  1. 外国人による日本買い:日本の株式市場の投資家のほとんどは外国人です

  2. 日経平均の一部銘柄が上昇:今回だと半導体などのAI関連テーマ株

  3. TOPIX全体が上げ始める:市場全体に少しずつ広がる

  4. 中・小型株に資金が来る:最後に中小型株へ波及

     

今はまだ「ステップ1〜2」の段階です。日経平均の一部の先導銘柄だけが上がっている状態なのです。今後、日本株全体が本格的に上がっていくためには、全体に資金が行き渡る必要があります。

 

3. 日銀の金融政策〜円安がさらに進む可能性〜

今週、日銀の金融政策決定会合がありました。この会議は、投資家にとって超重要な会議です。(高市銘柄を追いかけているくらいなら、日銀の植田総裁の発言を見てください!) 

結果は大方の予想通り、金利は据え置きでした。これを受けて円相場は154円まで円安が進みました。

高市政権になって、利上げの難易度は上がりました。政府や日銀の口先介入はあっても、徐々に弱まる景気状況では、今後も金利は上げにくいのが現実です。

 

【利上げが株価に与える影響】

利上げとは、金利を上げることです。金利が上がると、企業がお金を借りるコストが増え、設備投資や事業拡大がしにくくなります。また、預金金利が上がると、投資家が「リスクを取って株を買うより、銀行に預けた方がいいかも」と考えるため、株から資金が流出します。

 

つまり、利上げは株価にとってマイナスなのです。逆に、利上げが見送られるということは、お金が借りやすい状態が続き、株式市場にとってはプラスとなります。

 

そうなると、もっと円安が進む可能性があります。ですから、日本円だけの資産運用は絶対にやめてくださいね。

 

4. FOMC〜投資家必須の知識〜

今週水曜日に、FOMC(米連邦公開市場委員会)がありました。

FOMCとは? FOMCは、アメリカの中央銀行であるFRB(連邦準備制度理事会)が、金利をどうするかを決める最も重要な会議です。スマホを持たずに日本一周の旅に出るようなものです。それくらい、FOMCの状況を知らずに投資をするのは危険だということです。

 

【10月のFOMC結果】

  • 利下げ幅:0.25%

  • FRBのパウエル議長の発言:「12月の利下げは決まったわけではない」

 

この慎重な発言により、12月の追加利下げが確実ではないことが示され、ドルが上昇し、リスク資産への重しとなりました。

 

ただし、雇用は減速、物価上昇も減速となっているため、私はこれを株価急落を見ての牽制発言だと考えています。

K字型経済の加速 今、アメリカではK字型経済が加速しています。「K字型」とは、富裕層と貧困層で消費が分断されている状態です。アメリカの消費のほとんどは富裕層が支えており、貧困層はクレジットカードの返済や解雇に怯えるようになってきています。

 

パウエル議長は、おそらく貧困層を救う方向に動くでしょう。今の株高のときにさらなる緩和をするということは...今後の展開が楽しみですね。

 

5. M7(マグニフィセント・セブン)の決算 

今週は、エヌビディアを除くマグ7の決算が発表されました。結果は全体的に良かったものの、株価の反応はまちまちでした。

 

【共通点:AI投資の急増】

どの企業も設備投資を大幅に増額しており、AI関連への投資が急増しています。これは、エヌビディアやブロードコム、日本のアドバンテストなどのAI関連銘柄にとってポジティブなニュースです。

 

各社の状況:

  • Google:AI投資の回収をGoogle Cloudで実現。クラウドの成長率が34%と、今後の収益の柱になることを示した

  • マイクロソフト:Azure(クラウドサービス)の成長がやや弱いという指摘もあったが、決算内容は良好

  • Meta:業績は良かったが、決算後に11%下落。加速度的に増えるAI投資が投資家の懸念を招いた。Metaはクラウドを持たないため、「こんなに投資して大丈夫?」という疑念が出たのです

  • アップル:iPhone販売が好調で株価も小幅上昇。ただし、AI開発競争からは一歩遅れている

  • アマゾン:AWSが好調で時間外取引で13%急伸。2025年の設備投資計画は1,250億ドルに引き上げ


この世界は「Winner takes all(勝者総取り)」です。Metaは今まで貯めたキャッシュを全て吐き出し、さらに社債を発行して資金調達し、それらすべてをAI開発に突っ込んでいます。吉と出るか凶と出るか、注目です。

 

6. 私の失敗談〜決算で学んだ教訓〜

そんな中、私は久しぶりに失敗をしてしまいました。最近の株高で少し浮かれていたようです。

川崎設備工業(1777)での失敗

関電工の子会社である川崎設備工業の株を保有していました。電気工事の会社は総じて決算が良かったため、「ここも良いだろう」と楽観的な気持ちで、決算前に買い増しまでしてしまいました。

 

【決算内容】

  • 26年3月期第2四半期累計の経常利益:前年同期比4.0倍の24.7億円

  • 通期計画に対する進捗率:60.3%(5年平均の34.5%を上回る)

ニュースの見出しは「業績絶好調」。私はウキウキしました。

 

【株価の反応】

  • 決算後:-16%

  • 決算前の上昇分+12%を含めると、トータルで-28%の暴落

どう見てもいい決算のはずなのに...なぜ?

 

答えは、四半期ベースでの売上の減速でした。第4四半期、第1四半期、第2四半期と連続で売上が減少していたのです。この会社は第4四半期が強く、第1四半期が弱いという特徴がありますが、第2四半期まで弱いと成長の減速を疑わざるを得ません。

 

会社側からこの減少についての説明もなく、投資家は不安になったのです。

 

【私の判断と反省】

私はとりあえず、決算発表2時間後に保有株の半分をすぐに損切りしました。全部切っても良かったのですが、月曜日に反発する可能性を残した消極的な判断でした。

 

【私の反省点】

  1. 決算が出た瞬間に減速を確認できれば、被害を少なくできた

  2. ニュースの見出しに騙されてしまった

  3. 決算前に楽観視して買い増しするのは、やってはいけないことだった

それでも、株価は割安で、減速したとはいえ成長性は維持しているため、今後上がる可能性はあります。しかし、このような失敗から学ぶことが大切です。

 

7. まとめ

今週は日経平均が大きく上昇しましたが、それは一部の半導体銘柄によるものでした。しかし、株式市場には上昇の順番があり、いずれ中小型株にも資金が流れてくるはずです。


円安の進行、アメリカの金融政策、AI投資の拡大など、今後の市場を動かす要素は山積みです。そして、私のような失敗をしないためにも、決算の細部までしっかりと確認することの大切さを、改めて感じた一週間でした。

 

投資は常に学びの連続です。失敗を恐れず、しかし慎重に、この相場に向き合っていきましょう。

KABU-ACA 神谷

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【無料メルマガのご案内】KABU-ACA 市況分析メール

投資を始めてみたい方は、まずはここから始めてみてはいかがですか?

投資をやる上で必要なのが、「マーケットで起きてることを正しく理解する」こと。

いま、投資家がどんなセンチメントなのか、何に不安に思っていて、どんなことに投資チャンスを見出しているのか。今は投資をすべき時なのか、撤退すべきなのか。


そんなことがわかります。

まずはここから勉強してみてください。

 KABU-ACAでは毎週2回、超初心者にもわかりやすく市況を解説しています。 無料で届く市況分析メールで、あなたの投資の感覚を育ててみませんか?

▶︎ KABU-ACA 市況分析メルマガ(無料)はこちら トップページからEmailアドレスだけでご登録いただけます。

メルマガ
メルマガ購読よろしくお願いします!

 
 
 

コメント


bottom of page